艮神社(うしとら)
尾道市(旧御調郡)御調町大蔵
艮神社(うしとら) 尾道市(旧御調郡)御調町大蔵に鎮座する。

式外社「大蔵神」と同神を名乗っている。
神社名は全然違うのだ が、この鎮座地が昔から「大蔵」といわれ、祠官も大蔵坊と称したから大蔵神は当神社だという。
創建を証明できるものはないが明暦二年(1656年)に再建 された時の棟札が残っている。
旧称は「白太宮(はかたぐう)」といい、この「白太」というのは、平安時代中期に作られた辞書「和名類聚抄(わみょうるい じゅしょう)」に記載のある地名で、大蔵神を名乗るのもうなずける。
社殿は立派である。
拝殿であるが銅板葺きで千鳥破風付きの三間社入母屋造に縋向拝が付 く。
昭和十一年に再建された本殿は三間社の神明造(しんめいつくり)だ。
これは伊勢神宮の形である。
平入りの切妻造りを基本形とし向拝は持たない。
妻の破 風板をそのまま上に伸ばし千木(ちぎ)を作る。
鰹木(かつおぎ、棟を押さえる丸太)が六本。
そして最大の特徴は建物の外側に独立して建てられた棟を支える 「棟持ち柱」である。伊勢神宮ではこの柱は直接地面に突き立てられているので「掘っ立て柱」という。
備後では、福山市神村町に鎮座する今伊勢宮が、同じ神 明造形式を持っている。
一見の価値がある神社だ。

祭神は吉備津彦、相殿神として大国主命、少彦名神(すくなひこな)、そして龍神タカオカミを祀る。
吉備津彦は備後一宮と同じで、大国主命、少彦名神は出雲神である。
石鳥居
石鳥居
本殿
随神門
神楽殿

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