大蔵神社(おおくら)【式外社】 |
|
福山市駅家町今岡 | |
式外社「大蔵神社」 福山市駅家町今岡
式内社に対する式外社という呼び方だが、延喜式神名帳への記載は無いものの、それ以前に書かれた六国史(日本書紀、続日本紀、日本後紀、続日本後 紀、日本文徳天皇実録、日本三代実録をいう)のいずれかに記載がある神社を式外社といい、式内社と同等に扱われた。 備後地方には「大歳神」「神田神」の二 社が三代実録貞観二年二月二八日に、「大神神」と「天照真良建雄神」は三代実録貞観三年十月二十日に、「隠島神」は 三代実録元慶二年十二月十五日に、いずれも神階の昇格が記載されている。 この「大蔵神」が現在、福山市駅家町今岡に鎮座する「大蔵神社」に、「天照真良建 雄神」は三次市甲奴町小童に鎮座する「須佐神社」に、そして「隠島神」は尾道市因島中庄町の「八幡神社」にそれぞれ比定されている。 「神田神」と「大神 神」は残念ながら不明だ。 「大蔵神社」の縁起には「天武天皇白鳳六年九月一八日備中国浅口郡より武部山連山俄山(ニワキヤマ)の東に創祀する」とあるが、この俄山は津之郷 町「弘法の水」で有名な所で、その東側というと山手町。 今でも山手町佐倉谷山中竹藪の中にひっそりと佇み、地元の人数名で守り続いている小さ なお社があるが、それを「大蔵神社」というのは前に紹介した。 先日、参拝してみた。 道路には看板が出ていて、少し道が狭くなったが迷うことなく到着。 小高い境内は広く駐車場もあり、周辺も綺麗に整備されていた。 参道入り口には「式外社」 の石柱が建てられていたが、その由緒書きは一通り探したが見あたらなかった。 広島県神社誌によると、祭神は下照姫、大蔵神、大己貴神の三柱。 大蔵神は心当 たりはないが、下照姫、大己貴神(大国主命)はいずれも出雲神だ。 「俄山の東」に創祀後、建暦二年(1212年)三月「宇根田(世根田)」に遷座、その 後、貞享二年(1685年)に現在地に遷座したとある。 したがって貞觀二年二月二八日に「正六位上」という神階を授かった場所は山手町だということにな る。 |
|
![]() |
|
「式外社」の石柱 | |
![]() |
|
石鳥居 | |
![]() |
|
拝殿 | |
![]() |
|
本殿 | |
大きな地図で見る |
|
地図 |