小野神社(おの)<備後国総社>
府中市元町
小野神社 府中市元町に鎮座する。

現在地はもと備後国総社の社地とされ、今でも境内に備後国総社を祀っている。
今は「小野(おの)」だが、かつては「小屋(こや)」と称していたら しい。
管茶山は福山志料の中で、出口村の八尾城を攻めた伊勢の軍勢が敗れ、持っていた守護神の神璽(しんじ、勾玉)を捨てて逃げたのを村人が小屋を建てて 祀ったので小屋明神をいう、と記している。
貞享5年(1688年)胡屋橘高市左衛門忠重が現在地に社殿を造営したが、昭和の初めには老朽化し、氏子が一人 一日一銭の貯金を三年間励行して、ついに昭和九年現在の社殿を再建したとある。

小雨が降る中、急な階段を上がると、三間社入母屋造、縋向拝付き銅板葺きの拝殿が迎えてくれた。
奥には流造の本殿が佇んでいた。
総社はもっと立派なものかと思っていたが現存しているだけで良しとしなければいけないようだ。

祭神は押媛命(おしひめ)、相殿神として吉備武彦命(きびたけひこ)の二柱が祀ってある。
押媛命は、第六代孝安天皇妃で、第七代孝霊天皇の母で吉備津彦命の祖母ということになる。
吉備武彦命は、吉備津彦命の弟稚武彦命の孫にあたる。

境内には総社をはじめ、総荒神社、熊野神社、天神社、白髪稲荷、金盛稲荷、砂留荒神社、高オカミ社、艮社とたくさん並んでいた。

参道
拝殿
本殿
総社

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