木花開耶姫神社(コノハナサクヤヒメ)
福山市神辺町川南、岩田
木花開耶姫神社(コノハナサクヤヒメ)福山市神辺町川南岩田に鎮座する。

祭神は社名にあるように木花開耶姫だ。
創建は不明だが貞享五年(1688年)、野上八幡宮(福山八幡宮の西御宮)の旧社殿を移築して本殿を再建したとある。

コノハナサクヤヒメという名、いかにも美しい女性を想像するが、アマテラスの孫ホノニニギが一目惚れをしたのだからよほど美しかったのであろう。
日向に現れたニニギは吾田でサクヤヒメと出会う。
サクヤヒメにはイワナガヒメという姉がいたのだが、こちらはブス(失礼・・・)だったらしくニニギは見向きもしなかった。
これはサクヤヒメの父であるオオヤマツミがニニギに課した二者択一で、ブスのイワナガヒメを選べば岩のごとく永遠の命を得ることが出来、一方、サクヤヒメを選べば木の花のようにはかない命だったのだが、選ばれたのは美人の方であった。
我々の寿命はここで決まったのである。
もし、イワナガヒメが選ばれていれば超高齢化では片づけられない、誰も岩の如く風化するまでは死なないのであるから、想像するだけで恐ろしくなるような死に損ないだらけの世界となっていた。
ニニギ、あなたは羨ましくも正しい選択をしたのだ。
で、一夜にして、しかも浅い交わりだったそうで、それでも懐妊させてしまったニニギは「そんなのはオレの子ではない。
誰かよその子だろ!!」と、すったもんだの夫婦喧嘩のすえ、生まれてきた子供が海幸彦・山幸彦の物語へとつながっていくのである。
後にコノハナサクヤヒメは富士山本宮浅間大社へ鎮座した。
神辺町川南岩田地区へは、いかなる手段で、誰がどこから勧請し創建されたのかはわからない。
写真を撮っていたら近所のおばさんが出てこられ話が弾んだ。
鳥居に掛けてある注連縄の左先が下に垂れている理由を教えて頂いた。
「ここはお姫様だから下を向いているんよ。男神だったらピンと上を向くのに・・・」ということらしい。
初めて聞き、改めて写真に収めさせていただいた。
先の垂れた注連縄
本殿 一間社流れ造り本瓦葺き

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