千田宇山八幡神社(せんだうやまはちまん)
福山市千田町
千田宇山八幡神社(せんだうやまはちまん) 福山市千田町に鎮座する。

広島県神社誌には天文元年(1532)に、春日町宇山八幡宮より勧請し創祀されたと記されている。
しかし、平井隆夫氏の「おもしろふくやま史」には考え難しとなる。
それは坪生町「新中八幡神社」の縁起から導かれる。
坪生町に鎮座する「新中八幡宮」が古の坪生荘内の坪生、大門、引野、野の浜、津之下、宇山の産土神であった。
室町末期天文7年(1538)新中八幡宮で争いが起こり、それぞれの地区がご神体や神宝を持ち帰るという事件が起こった。
春日宇山の村民達は狛犬を持ち帰り34年間は社殿を建てずひっそりと祭祀していたが、元亀3年(1572)に春日宇山八幡宮を創建した。
つまり、1532年にはまだ本社である春日宇山八幡宮はなかったというのだ。
これは、千田八幡神社にも同じことが言える。
これらの本社とされる新中八幡神社、そしてここから喧嘩別れした大門八幡神社も紹介したいと思う。
喧嘩別れは瀬戸荘でも瀬戸町福井八幡と水呑八幡との間でも起こっている。
荘園の支配権が戦国時代にめまぐるしく変わり、また生産力の強かった村は独自で祀りたかったのだろう。

千田宇山八幡神社の社殿は切妻造の拝殿の後ろに本殿が覆屋の中に鎮座していた。
石鳥居
拝殿
本殿

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