素盞鳴神社(すさのお)
福山市神辺町上御領
素盞鳴神社(すさのお) 福山市神辺町上御領に鎮座する。

 福山市神辺町上御領、国道313号から一本北側の旧山陽道沿いに鎮座する旧称は天王社。
参道入り口に立派な石灯籠があり、そこに2本の石柱が建つ。
向かって右側のは「御領八丈岩 登山口」そして、左のをよく見ると「延喜式内 多祁伊奈太伎佐耶布都神社」と彫ってある。
裏には昭和3年とある。
備後国安那郡「多祁伊奈太伎佐耶布都神社」といえば、ここでも紹介した福山市山野町上原谷に鎮座する「岩屋権現」が比定された。
論社(他にも考えられる神社)は幾つかあったが、山野のも含め決定的な根拠が無いまま当てられている。
しかし、この上御領に鎮座する天王サンにあるこの石柱はどういうことか?

 広島県神社誌によると、天王社は天平年間(729年)にまで遡る古社だ。
祭神は素戔嗚尊。備後国司 小治田諸人の創建とある。
この人物を六国史で検索すると『続日本紀』巻十天平元年(七二九)三月甲午《四》正六位下小治田朝臣諸人。
『続日本紀』巻十三天平十年(七三八)八月乙亥《丙寅朔十》外從五位下小治田朝臣諸人爲豊後守・・・備後国司ではヒットしなかったが実在の人物だった。

 さらに不可解なのは「延喜式内 多祁伊奈太伎佐耶布都神社」と石柱を建てておきながら昭和27年に神社本庁に「当社が式内社 須佐能袁能神社である」と神社明細書を提出している。
しかし、どちらも相手にされていない。
石鳥居
本殿
2本の石柱

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