湯傳稲荷神社(ゆでんいなり)
福山市山手町江良
湯傳稲荷神社(ゆでんいなり) 福山市山手町江良に鎮座する。

広島県神社誌には由緒の記載はまったくないが、西備名区には「稲荷神社、艮神社 二坐相殿に座す、是を今宿湯築と称す、文化二年乙丑、正一位を授らる」と記されている。
湯傳が湯築となっているが現地の表示板は「湯傳稲荷神社」と記される。
文化二年は1805年で、この稲荷サンのことに間違いない。
西備名区に記される稲荷神社の祭神は宇賀之御魂神(うがのみたま)で、艮神社は吉備津彦が相殿に祀られる。

社殿は切妻造の拝殿と一間社流造の本殿を持つ。
痛みが激しいのか本殿は板で囲われている。
身舎柱は長押と頭貫で固定され、柱上は枠肘木組が置かれる。
妻飾りは虹梁大瓶束である。
向拝柱とは海老虹梁で繋がれ、軒は二の木繁垂木だ。

縁起を表すものは手持ちの資料ではなかったが、境内には明和8年(1771)寄進の石灯籠が建つ。
石鳥居はさらに古そうだが、年号は判別不能であった。
石鳥居
拝殿
本殿

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