大坊古墳
現地看板より

大坊古墳

広島県史跡指定 昭和58年11月7日

中条の谷を見わたす丘陵の東斜面に築かれた大坊古墳は直径約14メートル、高さ約5メートルの南北方向がやや長い円墳です。
横穴式石室の入り口は南東に向けて開いており、石室の長さは約11.3メートル、幅・高さとも約2メートルと大規模なものですが、昔から入り口が開口していたため、残念ながら石室内の副葬品は不明です。
この石室の特徴は、花こう岩の表面を磨いたような石材を使用していること、玄室(遺体を葬る部屋)と羨道(玄室へいたる廊下)がほぼ同じ規模で設計されていることがあげられます。
また、玄室が床面の中央に置かれた二個の石によって前後の二室に分けられており、玄室の入り口には二本の石柱が立てられています。
これらの特徴から、大坊古墳は古墳時代も終わりに近い七世紀の初め頃に、この地方の有力な豪族の家族墓として築かれたものと考えられます。

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